三重県の郷土料理「こしょう汁」「泣汁」とは

絹田
絹田

三重県民が泣汁について説明するよ.

胡椒汁,泣汁,涙汁の写真

三重県や岐阜県では「胡椒汁」「泣汁」という葬儀の火葬の後に食べる特別な汁物があります.胡椒とは唐辛子のことで,唐辛子で辛くしたお吸い物,薄い味噌汁のことです.辛いから泣いているのか,悲しいから泣いているのか分からないように火葬の後に食べるのです.別名「涙汁」「泣汁」というそうです.

「食の民族辞典」の唐辛子の欄にこのように記載があります.

三重県亀山市下庄朝神向山(昭和八年生まれ)は,葬式当日の朝餉ないし昼餉に、参列してもらう人々に精進の膳を出したが、その一品に「トウガラシ汁」があったという。同じく葬式のときに出されるものに甘辛く煮たヒリョウズ(がんもどき)があり、その煮汁を水でのばし、さらに醤油で味つけしたところに唐辛子を入れて辛味を移すように煮出す。そこに青昆布やアゲなどを浮き実にして出す。
三重県四日市市桜町斧研の近藤善治さん(昭和四年生まれ)も、葬式のときにはヒジヤド(非時宿)でこの汁を食
べたという。葬式で涙が出るように食べるといわれたこの辛い汁は、「涙汁」とも呼ばれていた。 (谷阪智佳子)

食の民族辞典

具はがんもどきを入れたり,油揚げを入れたりで地域差があるようですが,唐辛子が下に沈殿するくらいめちゃめちゃに辛くするのは共通しているようです.私も個人的にいなべ市出身の知り合いの30代の女性に話を聞いたところ,その女性の祖母が亡くなり自宅で葬儀を行なった際,火葬の後,地域の集会所で2010年頃に振る舞われたようです.

「長机をコの字に並べて,皆で泣汁を食べました.泣汁だけでそれ以外には食べません.辛いのがわかっているので私は飲んでいるふりをしていましたが,辛いから泣いているのか,悲しいから泣いているのかわからないようにするためのものだと思います.火葬の後,集会所の厨房に女性が集まって作りました.住職さんと父が残していきたいとよく話をしていました」

女性の話

作り方

がんもどきの煮物を作る

  1. がんもどきに熱湯をかけ油抜きをする
  2. それを鍋に入れて,砂糖とひたひたの水を入れて煮立てる。 煮立ったら醤油を入れて中火で煮る。
  3. 煮汁がなくなるまで煮詰める

煮物の作り方はこちらを参考にしました.

https://cookpad.com/recipe/4800225

汁物にして胡椒(唐辛子)の辛味をうつす

  1. がんもどきの煮物を水で薄めて醤油で味を整えて汁物にする
  2. 鷹の爪を大量に刻んで一緒に煮る

辛いから泣いているのか,悲しいから泣いているのかわからないように

するための汁物ということで,それを飲む際の情景がありありと思い浮かび,地域で大切にされてきた風習なのだと思いました.

参考文献

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%A1%E6%A4%92%E6%B1%81

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2021/03/post-13984.html

絹田
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読んでくれてありがとう.これからもよろしくね