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怪人二十面相

 江戸川乱歩著 出版:1936年

怪人二十面相は、1936年から連載された「少年探偵シリーズ」の第一作。

東京の至る所に現れ、宝石や美術品を盗む怪人二十面相。怪人二十面相には、必ず前もって予告状を送る奇妙な癖がった。怪人二十面相と明智小五郎、そしてその助手である小林少年と少年探偵団の活躍を描く第一作。

26.怪盗の巣くつ

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賊の手下の美しい婦人と、乞食と、赤井寅三と、気をうしなった明智小五郎とを乗せた自動車は、さびしい町さびしい町とえらびながら、走りに走って、やがて、代々木の明治神宮を通りすぎ、暗い雑木林の中にポツンと建っている、一軒の住宅の門前にとまりました。
 それは七間か八間ぐらいの中流住宅で、門の柱には北川十郎という表札がかかっています。もう家中が寝てしまったのか、窓から明りもささず、さもつつましやかな家庭らしく見えるのです。
 運転手(むろんこれも賊の部下なのです)がまっ先に車をおりて、門の呼びりんをおしますと、ほどもなくカタンという音がして、門のとびらにつくってある小さなのぞき窓があき、そこに二つの大きな目玉があらわれました。門燈のあかりで、それが、ものすごく光って見えます。
「ああ、きみか、どうだ、しゅびよくいったか。」
 目玉のぬしが、ささやくような小声でたずねました。
「ウン、うまくいった。早くあけてくれ。」
 運転手が答えますと、はじめて門のとびらがギイーとひらきました。
 見ると、門の内がわには、黒い洋服を着た賊の部下が、ゆだんなく身がまえをして、立ちはだかっているのです。
 乞食と赤井寅三とが、グッタリとなった明智探偵のからだをかかえ、美しい婦人がそれを助けるようにして、門内に消えると、とびらはまたもとのようにピッタリとしめられました。
 ひとりのこった運転手は、からになった自動車にとびのりました。そして、車は、矢のように走りだし、たちまち見えなくなってしまいました。どこか別のところに賊の車庫があるのでしょう。
 門内では、明智をかかえた三人の部下が、玄関のこうし戸の前に立ちますと、いきなり軒の電燈が、パッと点火されました。目もくらむような明るい電燈です。
 この家へはじめての赤井寅三は、あまりの明るさに、ギョッとしましたが、彼をびっくりさせたのは、そればかりではありませんでした。
 電燈がついたかと思うと、こんどは、どこからともなく、大きな人の声が聞こえてきました。だれもいないのに、声だけがお化けみたいに、空中からひびいてきたのです。
「ひとり人数がふえたようだな。そいつはいったい、だれだ。」
 どうも人間の声とは思われないような、へんてこなひびきです。
 新米の赤井はうすきみ悪そうに、キョロキョロあたりを見まわしています。
 すると、乞食に化けた部下が、ツカツカと玄関の柱のそばへ近づいて、その柱のある部分に口をつけるようにして、
「新しい味方です。明智に深いうらみを持っている男です。じゅうぶん信用していいのです。」
と、ひとりごとをしゃべりました。まるで電話でもかけているようです。
「そうか、それなら、はいってもよろしい。」
 またへんな声がひびくと、まるで自動装置のように、こうし戸が音もなくひらきました。
「ハハハ……、おどろいたかい。今のは奥にいる首領と話をしたんだよ。人目につかないように、この柱のかげに拡声器とマイクロホンがとりつけてあるんだ。首領は用心ぶかい人だからね。」
 乞食に化けた部下が教えてくれました。
「だけど、おれがここにいるってことが、どうして知れたんだろう。」
 赤井は、まだふしんがはれません。
「ウン、それも今にわかるよ。」
 相手はとりあわないで、明智をかかえて、グングン家の中へはいって行きます。しぜん赤井もあとにしたがわぬわけにはいきません。
 玄関の間には、またひとりのくっきょうな男が、かたをいからして立ちはだかっていましたが、一同を見ると、にこにこしてうなずいてみせました。
 ふすまをひらいて、廊下へ出て、いちばん奥まった部屋へたどりつきましたが、みょうなことに、そこはガランとした十畳の空部屋で、首領の姿はどこにも見えません。
 乞食が何か、あごをしゃくってさしずをしますと、美しい女の部下が、ツカツカと床の間に近より、床柱の裏に手をかけて、何かしました。
 すると、どうでしょう。ガタンと、おもおもしい音がしたかと思うと、座敷のまんなかの畳が一枚、スーッと下へ落ちていって、あとに長方形のまっくらな穴があいたではありませんか。
「さあ、ここのはしご段をおりるんだ。」
 いわれて、穴の中をのぞきますと、いかにもりっぱな木の階段がついています。
 ああ、なんという用心ぶかさでしょう。表門の関所、玄関の関所、その二つを通りこしても、この畳のがんどう返しを知らぬ者には、首領がどこにいるのやら、まったく見当もつかないわけです。
「なにをぼんやりしているんだ。早くおりるんだよ。」
 明智のからだを三人がかりでかかえながら、一同が階段をおりきると、頭の上で、ギーッと音がして畳の穴はもとのとおりふたをされてしまいました。じつにゆきとどいた機械じかけではありませんか。
 地下室におりても、まだそこが首領の部屋ではありません。うす暗い電燈の光をたよりに、コンクリートの廊下を少し行くと、がんじょうな鉄の扉が行く手をさえぎっているのです。
 乞食に化けた男が、その扉を、妙なちょうしでトントントン、トントンとたたきました。すると、重い鉄の扉が内部から開かれて、パッと目を射る電燈の光、まばゆいばかりに飾りつけられたりっぱな洋室、その正面の大きな安楽イスにこしかけて、にこにこ笑っている三十歳ほどの洋服紳士が、二十面相その人でありました。これが、素顔かどうかはわかりませんけれど、頭の毛をきれいにちぢれさせた、ひげのない好男子です。
「よくやった。よくやった。きみたちのはたらきはわすれないよ。」
 首領は、大敵明智小五郎をとりこにしたことが、もう、うれしくてたまらないようすです。むりもありません。明智さえ、こうしてとじこめておけば、日本中におそろしい相手はひとりもいなくなるわけですからね。
 かわいそうな明智探偵は、ぐるぐる巻きにしばられたまま、そこの床の上にころがされました。赤井寅三は、ころがしただけではたりないとみえて、気をうしなっている明智の頭を、足で二度も三度もけとばしさえしました。
「ああ、きみは、よくよくそいつにうらみがあるんだね。それでこそぼくの味方だ。だが、もうよしたまえ。敵はいたわるものだ、それに、この男は日本にたったひとりしかいない名探偵なんだからね。そんなに乱暴にしないで、なわをといて、そちらの長イスにねかしてやりたまえ。」
 さすがに首領二十面相は、とりこをあつかうすべを知っていました。
 そこで、部下たちは、命じられたとおり、なわをといて、明智探偵をイスに寝かせましたが、まだ薬がさめぬのか、探偵はグッタリしたまま、正体もありません。
 乞食に化けた男は、明智探偵誘かいのしだいと、赤井寅三を味方にひきいれた理由を、くわしく報告しました。
「ウン、よくやった。赤井君は、なかなか役にたちそうな人物だ。それに、明智に深いうらみを持っているのが何より気にいったよ。」
 二十面相は、名探偵をとりこにしたうれしさに、何もかも上きげんです。
 そこで赤井はあらためて、弟子入りのおごそかな誓いをたてさせられましたが、それがすむと、この浮浪人はさいぜんから、ふしぎでたまらなかったことを、さっそくたずねたものです。
「このうちのしかけにはおどろきましたぜ。これなら警察なんかこわくないはずですねえ。だが、どうもまだふにおちねえことがある。さっき玄関へきたばっかりの時に、どうして、おかしらにあっしの姿が見えたんですかい。」
「ハハハ……、それかい。それはね。ほら、ここをのぞいてみたまえ。」
 首領は天井の一|隅からさがっているストーブのえんとつみたいな物を指さしました。
 のぞいてみよといわれるものですから、赤井はそこへ行って、えんとつの下のはしがかぎの手に曲がっている筒口へ、目をあててみました。
 すると、これはどうでしょう。その筒の中に、この家の玄関から門にかけての景色が、かわいらしく縮小されて写っているではありませんか。さいぜんの門番の男が、忠実に門の内がわに立っているのもハッキリ見えます。
「潜水艦に使う潜望鏡と同じしかけなんだよ。あれよりも、もっと複雑に折れまがっているけれどね。」
 どうりで、あんなに光のつよい電燈が必要だったのです。
「だが、きみが今まで見たのは、この家の機械じかけの半分にもたりないのだよ。その中には、ぼくのほかはだれも知らないしかけもある。なにしろ、これがぼくのほんとうの根城だからね。ここのほかにも、いくつかのかくれががあるけれど、それらは、敵をあざむくほんの仮住まいにすぎないのさ。」
 すると、いつか小林少年が苦しめられた戸山ヶ原のあばらやも、そのかりのかくれがの一軒だったのでしょうか。
「いずれきみにも見せるがね、この奥にぼくの美術室があるんだよ。」
 二十面相は、あいかわらず上きげんで、しゃべりすぎるほどしゃべるのです。見れば彼の安楽イスのうしろに、大銀行の金庫のような、複雑な機械じかけの大きな鉄のとびらが、げんじゅうにしめきってあります。
「この奥にいくつも部屋があるんだよ。ハハハ……、おどろいているね。この地下室は、地面に建っている家よりもずっと広いのさ。そして、その部屋部屋に、ぼくの生涯の戦利品が、ちゃんと分類して陳列してあるってわけだよ。そのうち見せてあげるよ。
 まだ何も陳列していない、からっぽの部屋もある。そこへはね、ごく近日どっさり国宝がはいることになっているんだ。きみも新聞で読んでいるだろう。例の国立博物館のたくさんの宝物さ。ハハハ……。」
 もう明智という大敵をのぞいてしまったのだから、それらの美術品は手に入れたも同然だとばかり、二十面相はさも心地よげに、カラカラとうち笑うのでした。

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  • 1.はしがき

    0 そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。「二十面相」というのは、毎日毎日、新聞記事をにぎわして…


  • 2.鉄のわな

    0 麻布の、とあるやしき町に、百メートル四方もあるような大邸宅があります。 四メートルぐらいもありそうな、高い高いコンクリート塀が、ズーッと、目もはるかにつづいています。いかめしい鉄のとびらの門をはいると、大きなソテツが…


  • 3.人か魔か

    0 その午後には、羽柴一家総動員をして、帰朝の壮一君を、羽田空港に出むかえました。 飛行機からおりたった壮一君は、予期にたがわず、じつにさっそうたる姿でした。こげ茶色の薄がいとうを小わきにして、同じ色のダブル・ボタンの背…


  • 4.魔法使い

    0 しばらくのあいだ、ふたりともだまりこくって、青ざめた顔を、見あわせるばかりでしたが、やっと壮太郎氏は、さもいまいましそうに、「ふしぎだ。」と、つぶやきました。「ふしぎですね。」 壮一君も、おうむがえしに同じことをつぶ…


  • 5.池の中

    0 賊がピストルを投げだして、外へとびおりたのを見ると、壮太郎氏はすぐさま、窓のところへかけつけ、暗い庭を見おろしました。 暗いといっても、庭には、ところどころに、公園の常夜燈のような、電燈がついているので、人の姿が見え…


  • 6.樹上の怪人

    0 それから、池の岸で、どんなことがおこったかは、しばらく読者諸君のご想像にまかせます。 五―六分ののちには、以前の松野運転手が、なにごともなかったように、同じ池の岸に立っておりました。少し息づかいがはげしいようです。そ…


  • 7.壮二君のゆくえ

    0 松野の語ったところによりますと、けっきょく、賊は、つぎのようなとっぴな手段によって、まんまと追っ手の目をくらまし、大ぜいの見ている中をやすやすと逃げさったことがわかりました。 人々に追いまわされている間に、賊は庭の池…


  • 8.少年探偵

    0 青年運転手を帰すと、ただちに、主人の壮太郎氏夫妻、近藤老人、それに、学校の用務員さんに送られて、車をとばして帰ってきた早苗さんもくわわって、奥まった部屋に、善後処置の相談がひらかれました。もうぐずぐずしてはいられない…


  • 9.仏像の奇跡

    0 さて、お話はとんで、その夜のできごとにうつります。 午後十時、約束をたがえず、二十面相の部下の三人のあらくれ男が、あけはなったままの、羽柴家の門をくぐりました。 盗人たちは、玄関に立っている秘書などをしりめに、「お約…


  • 10.おとしあな

    0 さすがの怪盗も、これには胆をつぶしました。相手が人間ならばいくらピストルを向けられてもおどろくような賊ではありませんが、古い古い鎌倉時代の観音さまが、いきなり動きだしたのですから、びっくりしないではいられません。 び…


  • 11.七つ道具

    0 小林少年はほとんど二十分ほどのあいだ、地底の暗やみの中で、ついらくしたままの姿勢で、じっとしていました。ひどく腰を打ったものですから、痛さに身動きする気にもなれなかったのです。 そのまに、天井では、二十面相がさんざん…


  • 12.伝書バト

    0 小林少年はふと目をさますと、部屋のようすが、いつもの探偵事務所の寝室とちがっているので、びっくりしましたが、たちまちゆうべのできごとを思いだしました。「ああ、地下室に監禁されていたんだっけ。でも、地下室にしちゃあ、へ…


  • 13.奇妙な取りひき

    0 「少年探偵さん、どうだったね、ゆうべの寝ごこちは。ハハハ……、おや、窓になんだか黒いひもがぶらさがっているじゃないか。ははあ、用意のなわばしごというやつだね。感心、感心、きみは、じつに考えぶかい子どもだねえ。だが、そ…


  • 14.小林少年の勝利

    0 二十面相は、おとし戸のところにしゃがんだまま、今、とりあげたばかりのピストルを、手のひらの上でピョイピョイとはずませながら、とくいの絶頂でした。そして、なおも小林少年をからかってたのしもうと、何かいいかけたときでした…


  • 15.おそろしき挑戦状

    0 戸山ヶ原の廃屋の捕り物があってから二時間ほどのち、警視庁の陰気な調べ室で、怪盗二十面相の取り調べがおこなわれました。なんの飾りもない、うす暗い部屋に机が一脚、そこに中村捜査係長と老人に変装したままの怪盗と、ふたりきり…


  • 16.美術城

    0 伊豆半島の修善寺温泉から四キロほど南、下田街道にそった山の中に、谷口村というごくさびしい村があります。その村はずれの森の中に、みょうなお城のようないかめしいやしきが建っているのです。 まわりには高い土塀をきずき、土塀…


  • 17.名探偵明智小五郎

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  • 18.不安の一夜

    0  日下部左門老人が、修善寺でやとった自動車をとばして、谷口村の「お城」へ帰ってから、三十分ほどして、明智小五郎の一行が到着しました。 一行は、ピッタリと身にあう黒の洋服に着かえた明智探偵のほかに、背広服のくっきょうな…


  • 19.悪魔の知恵

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  • 20.巨人と怪人

    0 美術城の事件があってから半月ほどたった、ある日の午後、東京駅のプラットホームの人ごみの中に、ひとりのかわいらしい少年の姿が見えました。ほかならぬ小林芳雄君です。読者諸君にはおなじみの明智探偵の少年助手です。 小林君は…


  • 21.トランクとエレベーター

    0 名探偵は、プラットホームで賊をとらえようと思えば、なんのわけもなかったのです。どうして、この好機会を見のがしてしまったのでしょう。読者諸君は、くやしく思っているかもしれませんね。 しかし、これは名探偵の自信がどれほど…


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  • 23.「わしがほんものじゃ」

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  • 24.二十面相の新弟子

    0 明智小五郎の住宅は、港区竜土町の閑静なやしき町にありました。名探偵は、まだ若くて美しい文代夫人と、助手の小林少年と、お手伝いさんひとりの、質素な暮らしをしているのでした。 明智探偵が、外務省からある友人の宅へたちよっ…


  • 25.名探偵の危急

    0 「ええ、なんだって、あの野郎をひっさらうんだって、そいつあおもしれえ。ねがってもないことだ。手つだわせてくんねえ。ぜひ手つだわせてくんねえ。で、それはいったい、いつのことなんだ。」 赤井寅三は、もうむちゅうになってた…


  • 26.怪盗の巣くつ

    0 賊の手下の美しい婦人と、乞食と、赤井寅三と、気をうしなった明智小五郎とを乗せた自動車は、さびしい町さびしい町とえらびながら、走りに走って、やがて、代々木の明治神宮を通りすぎ、暗い雑木林の中にポツンと建っている、一軒の…


  • 27.少年探偵団

    0 翌朝になっても明智探偵が帰宅しないものですから、るす宅は大さわぎになりました。 探偵が同伴して出かけた、事件依頼者の婦人の住所がひかえてありましたので、そこをしらべますと、そんな婦人なんか住んでいないことがわかりまし…


  • 28.午後四時

    0 少年探偵団のけなげな捜索は、日曜、月曜、火曜、水曜と、学校の余暇を利用して、忍耐強くつづけられましたが、いつまでたっても、これという手がかりはつかめませんでした。 しかし、東京中の何千人というおとなのおまわりさんにさ…


  • 29.名探偵の狼藉

    0 「え、え、きみは何をいっているんだ。何もぬすまれてなんかいやしないじゃないか。ぼくは、つい今しがた、この目で陳列室をずっと見まわってきたばかりなんだぜ。それに、博物館のまわりには、五十人の警官が配置してあるんだ。ぼく…


  • 30.種明し

    0 「ですが、わたしどもには、どうもわけがわからないのです。あれだけの美術品を、たった一日のあいだに、にせものとすりかえるなんて、人間わざでできることではありません。まあ、にせもののほうは、まえまえから、美術学生かなんか…


  • 31.怪盗捕縛

    0 「だが、明智君。」 警視総監は、説明が終わるのを待ちかまえていたように、明智探偵にたずねました。「きみはまるで、きみ自身が二十面相ででもあるように、美術品盗奪の順序をくわしく説明されたが、それはみんな、きみの想像なの…


この作品は現在パブリックドメインのため、古典の本棚に掲載しております。