Brighten up your day !!

怪人二十面相

 江戸川乱歩著 出版:1936年

怪人二十面相は、1936年から連載された「少年探偵シリーズ」の第一作。

東京の至る所に現れ、宝石や美術品を盗む怪人二十面相。怪人二十面相には、必ず前もって予告状を送る奇妙な癖がった。怪人二十面相と明智小五郎、そしてその助手である小林少年と少年探偵団の活躍を描く第一作。

9.仏像の奇跡

0

さて、お話はとんで、その夜のできごとにうつります。
 午後十時、約束をたがえず、二十面相の部下の三人のあらくれ男が、あけはなったままの、羽柴家の門をくぐりました。
 盗人たちは、玄関に立っている秘書などをしりめに、
「お約束の品物をいただきにまいりましたよ。」
と、すてぜりふを残しながら、間どりを教えられてきたとみえて、まよいもせず、ぐんぐん奥のほうへふみこんでいきました。
 美術室の入り口では、壮太郎氏と近藤老人とが待ちうけていて、賊のひとりに声をかけました。
「約束はまちがいないんだろうね。子どもはつれてきたんだろうね。」
 すると、賊はぶあいそうに答えました。
「ご心配にゃおよびませんよ。子どもさんは、もうちゃんと、門のそばまでつれてきてありまさあ。だがね、さがしたってむだですぜ。あっしたちが荷物を運びだすまでは、いくらさがしてもわからねえように工夫がしてあるんです。でなきゃあ、こちとらがあぶないからね。」
 いいすてて、三人はドカドカ美術室へはいっていきました。
 その部屋は土蔵のような造りになっていて、うす暗い電燈の下に、まるで博物館のようなガラス棚が、グルッとまわりをとりまいているのです。
 よしありげな刀剣、甲冑、置き物、手箱の類、びょうぶ、掛け軸などが、ところせましとならんでいるいっぽうのすみに、高さ一メートル半ほどの、長方形のガラス箱が立っていて、その中に、問題の観世音像が安置してあるのです。
 れんげの台座の上に、ほんとうの人間の半分ほどの大きさの、うす黒い観音様がすわっておいでになります。もとは金色まばゆいお姿だったのでしょうけれど、今はただ一面にうす黒く、着ていらっしゃるひだの多い衣も、ところどころすりやぶれています。でも、さすがは名匠の作、その円満柔和なお顔だちは今にも笑いだすかと思われるばかり、いかなる悪人も、このお姿を拝しては、合掌しないではいられぬほどにみえます。
 三人の泥棒は、さすがに気がひけるのか、仏像の柔和なお姿を、よくも見ないで、すぐさま仕事にかかりました。
「ぐずぐずしちゃいられねえ。大いそぎだぜ。」
 ひとりが持ってきたうすぎたない布のようなものをひろげますと、もうひとりの男が、そのはしを持って、仏像のガラス箱の外を、ぐるぐると巻いていきます。たちまち、それとわからぬ布包みができあがってしまいました。
「ほら、いいか。横にしたらこわれるぜ。よいしょ、よいしょ。」
 傍若無人のかけ声までして、三人のやつはその荷物を、表へ運びだします。
 壮太郎氏と近藤老人は、それがトラックの上につみこまれるまで、三人のそばにつききって、見はっていました。仏像だけ持ちさられて、壮二君がもどってこないでは、なんにもならないからです。
 やがて、トラックのエンジンが、そうぞうしくなりはじめ、車は今にも出発しそうになりました。
「おい、壮二さんはどこにいるのだ。壮二さんをもどさないうちは、この車を出発させないぞ。もし、むりに出発すれば、すぐ警察に知らせるぞ。」
 近藤老人は、もう、一生けんめいでした。
「心配するなってえことよ。ほら、うしろを向いてごらん。坊ちゃんは、もうちゃんと玄関においでなさらあ。」
 ふりむくと、なるほど、玄関の電燈の前に、大きいのと小さいのと、二つの黒い人かげが見えます。
 壮太郎氏と老人とが、それに気をとられているうちに、
「あばよ……。」
 トラックは、門前をはなれて、みるみる小さくなっていきました。
 ふたりは、いそいで玄関の人かげのそばへひきかえしました。
「おや、こいつらは、さっきから門のところにいた親子の乞食じゃないか。さては、いっぱい食わされたかな。」
 いかにもそれは親子と見えるふたりの乞食でした。両人とも、ぼろぼろのうすよごれた着物を着て、にしめたような手ぬぐいでほおかむりをしています。
「おまえたちはなんだ。こんなところへはいってきてはこまるじゃないか。」
 近藤老人がしかりつけますと、親の乞食がみょうな声で笑いだしました。
「エヘヘヘヘヘ、お約束でございますよ。」
 わけのわからぬことをいったかと思うと、彼はやにわに走りだしました。まるで風のように、暗やみの中を、門の外へとびさってしまいました。
「おとうさま、ぼくですよ。」
 こんどは子どもの乞食が、へんなことをいいだすではありませんか。そして、いきなり、ほおかむりをとり、ぼろぼろの着物をぬぎすてたのを見ると、その下からあらわれたのは、見おぼえのある学生服、白い顔。子ども乞食こそ、ほかならぬ壮二君でした。
「どうしたのだ、こんなきたないなりをして。」
 羽柴氏が、なつかしい壮二君の手をにぎりながらたずねました。
「何かわけがあるのでしょう。二十面相のやつが、こんな着物を着せたんです。でも、今までさるぐつわをはめられていて、ものがいえなかったのです。」
 ああ、では今の親乞食こそ、二十面相その人だったのです。彼は乞食に変装をして、それとなく、仏像が運びだされたのを見きわめたうえ、約束どおり壮二君をかえして、逃げさったのにちがいありません。それにしても、乞食とは、なんという思いきった変装でしょう。乞食ならば、人の門前にうろついていても、さしてあやしまれないという、二十面相らしい思いつきです。
 壮二君はぶじに帰りました。聞けば、先方では、地下室にとじこめられてはいたけれど、べつに虐待されるようなこともなく、食事もじゅうぶんあてがわれていたということです。
 これで羽柴家の大きな心配はとりのぞかれました。おとうさまおかあさまの喜びがどんなであったかは、読者諸君のご想像におまかせします。
 さていっぽう、乞食に化けた二十面相は、風のように羽柴家の門をとびだし、小暗い横町にかくれて、すばやく乞食の着物をぬぎすてますと、その下には茶色の十徳姿のおじいさんの変装が用意してありました。頭はしらが、顔もしわだらけの、どう見ても六十をこしたご隠居さまです。
 彼は姿をととのえると、かくし持っていた竹の杖をつき、背中をまるめて、よちよちと、歩きだしました。たとえ羽柴氏が約束を無視して、追っ手をさしむけたとしても、これでは見やぶられる気づかいはありません。じつに心にくいばかりの用意周到なやりくちです。
 老人は大通りに出ると、一台のタクシーを呼びとめて、乗りこみましたが、二十分もでたらめの方向に走らせておいて、べつの車に乗りかえ、こんどは、ほんとうのかくれがへいそがせました。
 車のとまったところは、戸山ヶ原の入り口でした。老人はそこで車をおりて、まっくらな原っぱをよぼよぼと歩いていきます。さては、賊の巣くつは戸山ヶ原にあったのです。
 原っぱのいっぽうのはずれ、こんもりとした杉林の中に、ポッツリと、一軒の古い洋館が建っています。荒れはてて住みてもないような建物です。老人は、その洋館の戸口を、トントントンと三つたたいて、少し間をおいて、トントンと二つたたきました。
 すると、これが仲間のあいずとみえて、中からドアがひらかれ、さいぜん仏像をぬすみだした手下のひとりが、ニュッと顔を出しました。
 老人はだまったまま先に立って、ぐんぐん奥のほうへはいっていきます。廊下のつきあたりに、むかしは、さぞりっぱであったろうと思われる、広い部屋があって、その部屋のまんなかに、布をまきつけたままの仏像のガラス箱が、電燈もない、はだかろうそくの赤茶けた光に、照らしだされています。
「よしよし。おまえたちうまくやってくれた。これはほうびだ。どっかへ行って遊んでくるがいい。」
 三人の者に数枚の千円札をあたえて、その部屋を立ちさらせると、老人は、ガラス箱の布をゆっくりとりさって、そこにあったはだかろうそくを片手に、仏像の正面に立ち、ひらき戸になっているガラスのとびらをひらきました。
「観音さま、二十面相の腕まえは、どんなもんですね。きのうは二百万円のダイヤモンド、きょうは国宝級の美術品です。このちょうしだと、ぼくの計画している大美術館も、まもなく完成しようというものですよ。ハハハ……、観音さま。あなたはじつによくできていますぜ。まるで生きているようだ。」
 ところが、読者諸君、そのときでした。二十面相のひとりごとが、終わるか終わらぬかに、彼のことばどおりに、じつにおそろしい奇跡がおこったのです。
 木造の観音さまの右手が、グーッと前にのびてきたではありませんか。しかも、その指には、おきまりのハスの茎ではなくて一|丁のピストルが、ピッタリと賊の胸にねらいをさだめて、にぎられていたではありませんか。
 仏像がひとりで動くはずはありません。
 では、この観音さまには、人造人間のような機械じかけがほどこされていたのでしょうか。しかし鎌倉時代の彫像に、そんなしかけがあるわけはないのです。すると、いったいこの奇跡はどうしておこったのでしょう。
 だが、ピストルをつきつけられた二十面相は、そんなことを考えているひまもありませんでした。彼は「アッ。」とさけんで、たじたじとあとじさりをしながら、手むかいしないといわぬばかりに、思わず両手を肩のところまであげてしまいました。

0
  • 1.はしがき

    0 そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。「二十面相」というのは、毎日毎日、新聞記事をにぎわして…


  • 2.鉄のわな

    0 麻布の、とあるやしき町に、百メートル四方もあるような大邸宅があります。 四メートルぐらいもありそうな、高い高いコンクリート塀が、ズーッと、目もはるかにつづいています。いかめしい鉄のとびらの門をはいると、大きなソテツが…


  • 3.人か魔か

    0 その午後には、羽柴一家総動員をして、帰朝の壮一君を、羽田空港に出むかえました。 飛行機からおりたった壮一君は、予期にたがわず、じつにさっそうたる姿でした。こげ茶色の薄がいとうを小わきにして、同じ色のダブル・ボタンの背…


  • 4.魔法使い

    0 しばらくのあいだ、ふたりともだまりこくって、青ざめた顔を、見あわせるばかりでしたが、やっと壮太郎氏は、さもいまいましそうに、「ふしぎだ。」と、つぶやきました。「ふしぎですね。」 壮一君も、おうむがえしに同じことをつぶ…


  • 5.池の中

    0 賊がピストルを投げだして、外へとびおりたのを見ると、壮太郎氏はすぐさま、窓のところへかけつけ、暗い庭を見おろしました。 暗いといっても、庭には、ところどころに、公園の常夜燈のような、電燈がついているので、人の姿が見え…


  • 6.樹上の怪人

    0 それから、池の岸で、どんなことがおこったかは、しばらく読者諸君のご想像にまかせます。 五―六分ののちには、以前の松野運転手が、なにごともなかったように、同じ池の岸に立っておりました。少し息づかいがはげしいようです。そ…


  • 7.壮二君のゆくえ

    0 松野の語ったところによりますと、けっきょく、賊は、つぎのようなとっぴな手段によって、まんまと追っ手の目をくらまし、大ぜいの見ている中をやすやすと逃げさったことがわかりました。 人々に追いまわされている間に、賊は庭の池…


  • 8.少年探偵

    0 青年運転手を帰すと、ただちに、主人の壮太郎氏夫妻、近藤老人、それに、学校の用務員さんに送られて、車をとばして帰ってきた早苗さんもくわわって、奥まった部屋に、善後処置の相談がひらかれました。もうぐずぐずしてはいられない…


  • 9.仏像の奇跡

    0 さて、お話はとんで、その夜のできごとにうつります。 午後十時、約束をたがえず、二十面相の部下の三人のあらくれ男が、あけはなったままの、羽柴家の門をくぐりました。 盗人たちは、玄関に立っている秘書などをしりめに、「お約…


  • 10.おとしあな

    0 さすがの怪盗も、これには胆をつぶしました。相手が人間ならばいくらピストルを向けられてもおどろくような賊ではありませんが、古い古い鎌倉時代の観音さまが、いきなり動きだしたのですから、びっくりしないではいられません。 び…


  • 11.七つ道具

    0 小林少年はほとんど二十分ほどのあいだ、地底の暗やみの中で、ついらくしたままの姿勢で、じっとしていました。ひどく腰を打ったものですから、痛さに身動きする気にもなれなかったのです。 そのまに、天井では、二十面相がさんざん…


  • 12.伝書バト

    0 小林少年はふと目をさますと、部屋のようすが、いつもの探偵事務所の寝室とちがっているので、びっくりしましたが、たちまちゆうべのできごとを思いだしました。「ああ、地下室に監禁されていたんだっけ。でも、地下室にしちゃあ、へ…


  • 13.奇妙な取りひき

    0 「少年探偵さん、どうだったね、ゆうべの寝ごこちは。ハハハ……、おや、窓になんだか黒いひもがぶらさがっているじゃないか。ははあ、用意のなわばしごというやつだね。感心、感心、きみは、じつに考えぶかい子どもだねえ。だが、そ…


  • 14.小林少年の勝利

    0 二十面相は、おとし戸のところにしゃがんだまま、今、とりあげたばかりのピストルを、手のひらの上でピョイピョイとはずませながら、とくいの絶頂でした。そして、なおも小林少年をからかってたのしもうと、何かいいかけたときでした…


  • 15.おそろしき挑戦状

    0 戸山ヶ原の廃屋の捕り物があってから二時間ほどのち、警視庁の陰気な調べ室で、怪盗二十面相の取り調べがおこなわれました。なんの飾りもない、うす暗い部屋に机が一脚、そこに中村捜査係長と老人に変装したままの怪盗と、ふたりきり…


  • 16.美術城

    0 伊豆半島の修善寺温泉から四キロほど南、下田街道にそった山の中に、谷口村というごくさびしい村があります。その村はずれの森の中に、みょうなお城のようないかめしいやしきが建っているのです。 まわりには高い土塀をきずき、土塀…


  • 17.名探偵明智小五郎

    0 ネズミ色のトンビに身をつつんだ、小がらの左門老人が、長い坂道をチョコチョコと走らんばかりにして、富士屋旅館についたのは、もう午後一時ごろでした。「明智小五郎先生は?」とたずねますと、裏の谷川へ魚釣りに出かけられました…


  • 18.不安の一夜

    0  日下部左門老人が、修善寺でやとった自動車をとばして、谷口村の「お城」へ帰ってから、三十分ほどして、明智小五郎の一行が到着しました。 一行は、ピッタリと身にあう黒の洋服に着かえた明智探偵のほかに、背広服のくっきょうな…


  • 19.悪魔の知恵

    0 ああ、またしてもありえないことがおこったのです。二十面相というやつは、人間ではなくて、えたいのしれないお化けです。まったく不可能なことを、こんなにやすやすとやってのけるのですからね。 明智はツカツカと部屋の中へはいっ…


  • 20.巨人と怪人

    0 美術城の事件があってから半月ほどたった、ある日の午後、東京駅のプラットホームの人ごみの中に、ひとりのかわいらしい少年の姿が見えました。ほかならぬ小林芳雄君です。読者諸君にはおなじみの明智探偵の少年助手です。 小林君は…


  • 21.トランクとエレベーター

    0 名探偵は、プラットホームで賊をとらえようと思えば、なんのわけもなかったのです。どうして、この好機会を見のがしてしまったのでしょう。読者諸君は、くやしく思っているかもしれませんね。 しかし、これは名探偵の自信がどれほど…


  • 22.二十面相の逮捕

    0 「あ、明智さん、今、あなたをおたずねするところでした。あいつは、どこにいますか。」 明智探偵は、鉄道ホテルから五十メートルも歩いたか歩かぬかに、とつぜん呼びとめられて、立ちどまらなければなりませんでした。「ああ、今西…


  • 23.「わしがほんものじゃ」

    0 「この人でした。この人にちがいありません。」 小林君は、キッパリと答えました。「ハハハ……、どうだね、きみ、子どもの眼力にかかっちゃかなわんだろう。きみが、なんといいのがれようとしたって、もうだめだ。きみは二十面相に…


  • 24.二十面相の新弟子

    0 明智小五郎の住宅は、港区竜土町の閑静なやしき町にありました。名探偵は、まだ若くて美しい文代夫人と、助手の小林少年と、お手伝いさんひとりの、質素な暮らしをしているのでした。 明智探偵が、外務省からある友人の宅へたちよっ…


  • 25.名探偵の危急

    0 「ええ、なんだって、あの野郎をひっさらうんだって、そいつあおもしれえ。ねがってもないことだ。手つだわせてくんねえ。ぜひ手つだわせてくんねえ。で、それはいったい、いつのことなんだ。」 赤井寅三は、もうむちゅうになってた…


  • 26.怪盗の巣くつ

    0 賊の手下の美しい婦人と、乞食と、赤井寅三と、気をうしなった明智小五郎とを乗せた自動車は、さびしい町さびしい町とえらびながら、走りに走って、やがて、代々木の明治神宮を通りすぎ、暗い雑木林の中にポツンと建っている、一軒の…


  • 27.少年探偵団

    0 翌朝になっても明智探偵が帰宅しないものですから、るす宅は大さわぎになりました。 探偵が同伴して出かけた、事件依頼者の婦人の住所がひかえてありましたので、そこをしらべますと、そんな婦人なんか住んでいないことがわかりまし…


  • 28.午後四時

    0 少年探偵団のけなげな捜索は、日曜、月曜、火曜、水曜と、学校の余暇を利用して、忍耐強くつづけられましたが、いつまでたっても、これという手がかりはつかめませんでした。 しかし、東京中の何千人というおとなのおまわりさんにさ…


  • 29.名探偵の狼藉

    0 「え、え、きみは何をいっているんだ。何もぬすまれてなんかいやしないじゃないか。ぼくは、つい今しがた、この目で陳列室をずっと見まわってきたばかりなんだぜ。それに、博物館のまわりには、五十人の警官が配置してあるんだ。ぼく…


  • 30.種明し

    0 「ですが、わたしどもには、どうもわけがわからないのです。あれだけの美術品を、たった一日のあいだに、にせものとすりかえるなんて、人間わざでできることではありません。まあ、にせもののほうは、まえまえから、美術学生かなんか…


  • 31.怪盗捕縛

    0 「だが、明智君。」 警視総監は、説明が終わるのを待ちかまえていたように、明智探偵にたずねました。「きみはまるで、きみ自身が二十面相ででもあるように、美術品盗奪の順序をくわしく説明されたが、それはみんな、きみの想像なの…


この作品は現在パブリックドメインのため、古典の本棚に掲載しております。