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江戸川乱歩全集

少年探偵団

 江戸川乱歩著 出版:1948年

東京に現れた「黒い魔物」により次々と少女が誘拐されていく。少年探偵団と明智先生によって犯人を追いかけるのだが。。

江戸川乱歩の代表作。

1. 黒い魔物

そいつは全身、墨を塗ったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。 「黒い魔物」のうわさは、もう、東京中にひろがっていましたけれど、ふしぎにも、はっきり、そいつの正体を見きわめた人は、だれもありませんでした。  そいつは、暗やみの中 […]


2. 怪物追跡

やみと同じ色をした怪物が、東京都のそこここに姿をあらわして、やみの中で、白い歯をむいてケラケラ笑うという、うすきみの悪いうわさが、たちまち東京中にひろがり、新聞にも大きくのるようになりました。  年とった人たちは、きっと魔性のものがいたずら […]


3. 人さらい

墓地のできごとがあってから二日の後、やっぱり夜の八時ごろ、篠崎始君のおうちの、りっぱなご門から、三十歳ぐらいの上品な婦人と、五つぐらいのかわいらしい洋装の女の子とが、出てきました。婦人は始君のおばさん、女の子は小さいいとこですが、ふたりは夕 […]


4. のろいの宝石

さて、門の前に遊んでいた女の子がさらわれた、その夜のことです。篠崎始君のおとうさまは、ひじょうに心配そうなごようすで、顔色も青ざめて、おかあさまと始君とを、ソッと、奥の座敷へお呼びになりました。  始君は、おとうさまの、こんなうちしずまれた […]


5.黒い手

そのとき、始君は何を見たのか、アッと小さいさけび声をたてて、おとうさまのうしろの床の間を見つめたまま、化石したようになってしまいました。その始君の顔といったらありませんでした。まっさおになってしまって、目がとびだすように大きくひらいて、口を […]


6.ふたりのインド人

さわぎのうちに一夜がすぎて、その翌日は、篠崎家の内外に、アリも通さぬ、げんじゅうな警戒がしかれました。緑ちゃんは、奥の一間にとじこめられ、障子をしめきって、おとうさま、おかあさまは、もちろん、ふたりの秘書、ばあやさん、ふたりのお手伝いさんな […]


7.銀色のメダル

小林君は、まるでキツネにつままれたような気持でした。さいぜん、篠崎家の門前で、自動車に乗るときには、秘書も運転手も、たしかに白い日本人の顔でした。いくらなんでも、運転手がインド人とわかれば、小林君がそんな車に乗りこむわけがありません。  そ […]


8.少年捜索隊

ちょうどそのころ、篠崎君のおうちの近くの、養源寺の門前を、六人の小学校上級生が、何か話しながら歩いていました。  先頭に立っているのは、篠崎君の親友の、よくふとった桂正一君です。桂君は、学校で篠崎君からこんどの事件のことを聞いたものですから […]


9.地下室

お話かわって、地下室に投げこまれた小林君と緑ちゃんとは、まっくらやみの中で、しばらくは身動きをする勇気もなく、グッタリとしていましたが、やがて目が暗やみになれるにしたがって、うっすらとあたりのようすがわかってきました。それは畳六畳敷きほどの […]


10.消えるインド人

ちょうどそのころ、篠崎始君や、相撲選手の桂正一君や、羽柴壮二君などで組織された、七人の少年捜索隊は、早くもインド人の逃走した道すじを、発見していました。  それは小林君が、インド人に、かどわかされる道々、自動車の上から落としていった、少年探 […]


11.四つのなぞ

世田谷の洋館でインド人が消えうせた翌々日、探偵事件のために東北地方へ出張していた明智名探偵は、しゅびよく事件を解決して東京の事務所へ帰ってきました。  帰るとすぐ、探偵は旅のつかれを休めようともしないで、書斎に助手の小林少年を呼んで、るす中 […]


12.さかさの首

明智探偵は、ふたりのインド人に部屋を貸していた洋館の主人春木氏に、一度会っていろいろきいてみたいというので、さっそく同氏に電話をかけて、つごうをたずねますと、昼間は少しさしつかえがあるから、夜七時ごろおいでくださいという返事でした。  探偵 […]


13.屋上の怪人

明智探偵は何も知らずに話しつづけました。 「あべこべといいますのはね、この事件の犯人は、彼が見せかけようとしたり、広告したりしたのとは、まるで反対なものではないかということです。  つまり、犯人は黒いインド人ではなくて、その反対の白い日本人 […]


14.悪魔の昇天

中村係長は怪盗が何をいおうと、そんな口あらそいには応じませんでした。賊はなんの意味もない、からいばりをしているのだと思ったからです。そこで、屋上の警官たちに、いよいよ最後の攻撃のさしずをしました。 それと同時に、十数名の警官が、口々に何かわ […]


15.怪軽気球の最後

「二十面相、空中にのがる」との報が伝わると、警視庁や各警察署はいうまでもなく、各新聞社の報道陣は、たちまち色めきだちました。 時をうつさず、警視庁首脳部の緊急会議がひらかれ、その結果、探照燈によって賊のゆくえをつきとめることになりました。  […]


16.黄金の塔

二十面相は、いよいよ正体をあらわしました。そして、これからは大っぴらに、怪盗二十面相として、例の宝石や美術品ばかりをねらう、ふしぎな魔術の泥棒をはじめようというわけです。  新聞によって、これを知った東京都民は、黒い魔物のうわさを聞いたとき […]


17.怪少女

それと知った助手の小林少年は、気が気ではありません。どうかこんどこそ、先生の手で二十面相がとらえられますようにと、神さまに祈らんばかりです。 「先生、何かぼくにできることがありましたら、やらせてください。ぼく、こんどこそ、命がけでやります。 […]


18.奇妙なはかりごと

「あと、もう三日しかないぞ。」 てのひらに書かれた予告の数字に、主人大鳥氏はすっかりおどかされてしまいました。 賊は黄金塔の部屋へ苦もなくしのびいったばかりか、ねむっている主人のてのひらに、筆で文字を書きさえしたのです。 板戸と非常ベルの二 […]


19.天井の声

もうこれで安心です。たとえ二十面相が予告どおりにやってきたとしても、黄金塔はまったく安全なのです。賊はとくいそうににせものをぬすみだしていくことでしょう。あの大泥棒をいっぱい食わせてやるなんて、じつにゆかいではありませんか。  賊が床下など […]


20.意外また意外

姿のない声が、ほんものの黄金塔のかくし場所を知っていると言ったものですから、大鳥氏は、もう気が気でなく、三人の店員たちをたちさらせますと、門野支配人とふたりで、大急ぎで畳をあけ、床板をはずし、それから、支配人にそこの土を掘ってみるように命じ […]


21.きみが二十面相だ!

大鳥氏はびっくりして、キョロキョロと部屋の中を見まわしました。しかし、賊の姿などどこにも見あたりません。 「ハハハ……、ごじょうだんを。ここにはわしたち四人のほかには、だれもいないじゃありませんか。」  いかにも、戸をしめきった十畳の座敷に […]


22.逃走

「ハハハ……、何もおどろくことはありませんよ。二十面相は土の下へ逃げたのです。」 明智小五郎は、少しもさわがず、あっけにとられている人々を見まわして、説明しました。「エッ、土の中へ? いったいそれはどういう意味です。」 大鳥氏がびっくりして […]


23.美術室の怪

二十面相がドアをあけて、玄関のホールに立ちますと、その物音を聞きつけて、ひとりの部下が顔を出しました。頭の毛をモジャモジャにのばして、顔いちめんに無精ひげのはえた、きたならしい洋服男です。 「お帰りなさい……。大成功ですね。」  部下の男は […]


24.大爆発

二十面相は、十一体の仏像のピストルにかこまれ、明智探偵の監視をうけながら、もうあきらめはてたように美術室の中を、フラフラと歩きまわりました。 「ああ、せっかくの苦心も水のあわか。おれは何よりも、この美術品をうしなうのがつらいよ。明智君、武士 […]